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インバウンド観光事業のメリットとデメリットを知り、対策に活かしましょう。

訪日外国人観光客によるインバウンド事業への恩恵は大きく、キャッシュレス決済をはじめとするIT技術によって文化・言語の弊害も少なくなっています。現状の課題と対策方法についても掲載しているので、ぜひご参考ください。

インバウンド事業のメリット・デメリット

インバウンド事業のメリットとデメリット
インバウンド事業は訪日外国人観光客の消費によって生まれるもので、外貨を原資にした資金が日本に入ってくるのが特徴です。日本は少子高齢化によって人口減少傾向が進む見込みで、国内需要だけに頼ってしまうと国力が衰退していきます。

 

インバウンド事業が成長すれば日本全体が豊かになるメリットがあるため、国策として補助金などの支援がされています。また、インバウンド事業は将来性が高くて、新規参入しやすいことがメリットです。インバウンド需要の獲得に向けた取り組みをすれば、幅広い業種で比較的簡単に売上アップなどの効果を実感できるでしょう。

 

一方でインバウンド事業は外部環境の影響を受けやすく、外国人観光客と現地住人でトラブルになりやすいデメリットがあります。事業者目線や日本在住の一般消費者目線など、幅広い角度からインバウンド事業のメリット・デメリットを検証しました。

 

インバウンド事業のメリット

円安の追い風もあり、コロナショック後外国人観光客数は大幅に増加しています。
波に乗っているインバウンド事業の主なメリットを各項目に分けてご紹介してまいります。

 

経済が潤沢になる

日本旅行を楽しむ外国人観光客
訪日外国人観光客が消費をすれば、本来は国内需要で得られなかった売上が発生します。
インバウンド事業が成長すれば観光客向けの新たな雇用が生まれるなどの好循環へ繋がります。

 

日本は人口が減少し続けているほか、かつては世界最高クラスだったITや電化製品などの分野で海外企業にシェアを奪われているケースが多いです。
日本の特産品である自動車も、将来的にEV車へのシフトが進んでいった場合、その分野でリードしている中国企業に世界的なシェアを奪われる恐れがあります。
こうした中でインバウンド事業は、日本の新たな主力産業になる期待を寄せられています。

 

円安と海外物価高が追い風

昨今は訪日外国人観光客が消費する平均額が増加傾向にあります。
歴史的な円安による為替レートの恩恵があるほか、欧米を中心に海外は日本以上に賃上げペースが進んでいる影響が大きいです。
物価高に対して日本の賃金上昇が伴っていない問題がクローズアップされていますが、こうした海外との格差が大きくなるほどインバウンド事業の成長が加速する要素を持っています。

 

地方活性化

江ノ島電鉄の踏切
SNSやYouTube動画、観光地紹介サイトなどの影響で、従来はマイナーだった場所に訪日外国人観光客が訪れるケースが増えています。
特に有名なのは神奈川県にある江ノ島電鉄・鎌倉高校駅前の踏切がスラムダンクの聖地として観光スポット化したことです。

 

このほかにも、47の都道府県各地でマイナーな観光スポットを探す訪日外国人観光客が増えています。
宿泊施設・観光スポットの整備SNSで情報発信する取り組みなどをすれば、全国どこからでも訪日外国人観光客を増やすことが可能です。
人口減少で閑散としていた地方でも、インバウンド特需のブームに乗ることができれば活気が戻って雇用が生まれる。
結果的に税収が増えて街が整備されるなどの経済効果によって、住人にもメリットが発生していきます。

 

 

インバウンド事業のデメリット

政府が観光立国を掲げて国策として取り組まれているインバウンド事業ですが、事業者目線や国民目線でのデメリットもあります。
それぞれやり方次第でリスクの緩和やデメリットの克服が可能です。
インバウンド事業の主なデメリットをご覧ください。

 

外部環境の影響

観光業で過去最大級に大きな影響を与えたコロナショックのほか、何かのきっかけで隣国による日本の不買運動などが起こって特定地域の外国人観光客が激減するケースがあります。
外部環境による影響があると、国内でサービスをする事業者がどれだけ対策をしても限界があります。

 

コロナショックのように全体に大きな影響を与えた場合は、今後も各種補助金などで救済される可能性が高いです。
日本に悪い印象を抱いている人の比率が高い国からのインバウンド事業に依存している場合は、他の国からの訪日外国人観光客を呼び込むとよいでしょう。
この先も外部環境の影響で状況が一変する恐れがあるので、利益が出ているうちはストックを作って資金力を確保しておくなどの事前対策を講じることが望ましいです。

 

 

オーバーツーリズム

オーバーツーリズムとは、訪日外国人観光客が増えすぎて発生する混雑や渋滞、景観破壊などです。
整備することで対処できますが、SNSでバズって想定外の場所に人が殺到するケースがあるなど、完璧に防ぐことはできません。
オーバーツーリズムは全国様々な場所で発生する可能性があるので、自治体などが突発的なオーバーツーリズムが起きた事態を想定してスピード対応できる体制を整えておく必要があります。

 

マナーや文化の問題

大衆浴場のイメージ
外国人観光客の増加で焦点となっている問題のひとつが、大衆浴場でのタトゥーNG問題です。
昨今は都心部でタトゥーOKにする大衆浴場が増えていますが、日本の文化ではタトゥーや入れ墨に怖いイメージを持っている人が多く、どうやって共存するかが課題になっています。
民泊によるゴミ出しや泥酔した訪日外国人観光客による騒音やトラブルなど、マナーと文化の問題が完全になくなることはないでしょう。

 

日本人だけのことでも、人が多く集まる場所はトラブルが多くなる傾向があります。
ルール作りや環境の整備、警備・管理体制、Webによる多言語での注意喚起ツールの普及など、小さなことの積み重ねで対策していくことが大切です。

 

 

時代は後押ししている

円安や海外の賃金上昇など経済的な追い風があるほか、キャッシュレス決済や通訳ツールなどの普及によって、言語や通貨の障害が少なくなってきています。
昨今は国や自治体が補助するキャッシュバックキャンペーンの影響でQRコード決済を導入する小規模事業者が増えてきていて、チャットGPTなどITツールの進化が著しいです。ITの力で言語や通貨、文化が異なる訪日外国人観光客と共存する弊害が少なくなってきているのは明白といえるでしょう。

 

設備投資によって外国人観光客が安心して利用できる宿泊施設は、日本人観光客にも人気があり、より一層の集客アップが見込めます。国や自治体がインバウンド向けホテル事業の設備投資を推し進めているため、積極的に活用している事業者は増加傾向のようです。
こうした時代の後押しもありますので、今後はますますインバウンド事業が成長していくでしょう。