インバウンドとアウトバウンドは対義語ですが、使われることが多いシーンと意味が違います。
よく使われるシーンと、それぞれで異なる意味の違いをまとめました。
インバウンドは観光業界における訪日外国人観光客による消費を意味することが多いのに対して、アウトバウンドは営業ビジネスにおける外回りやテレアポなどの手段を指すことが多いです。
それぞれの違いを把握したうえで使い分けるようにするとよいでしょう。
インは内側、アウトは外側の意味を持ちます。
バウンドは単体だと弾むことや跳ね返るなどの和訳になります。
インバウンドを和訳すると「外から内に入っていくこと」
アウトバウンドを和訳すると「内から外に出ていくこと」
実際には更に意味が加わった造語や複合語として活用されるケースが多いですが、外から内。もしくは内から外の原則は全てのインバウンドとアウトバウンドで共通です。
当サイトで詳しく紹介している観光業におけるインバウンドは、訪日外国人観光客による消費という意味です。
アウトバウンドは日本在住の人などが海外旅行に行って消費することです。
インバウンドは飲食や小売など様々な業種が恩恵を受けられるため幅広く使われていますが、アウトバウンドは観光会社や航空会社などしか国内での恩恵がないビジネスモデルのため、アウトバウンドの言葉が使われるシーンは少なめです。
なお、日本は観光立国を掲げていて、海外旅行者数を増やす取り組みをしています。
2007年に観光立国推進基本計画で2,000万人の目標が設定され、コロナ前の2019年に初めて日本人出国者数(推計値)が2,008万600人で目標を超えました。
なお、2019年の外国人旅行者受入数は過去最高の3,188万人でした。
ビジネスでは「インバウンド=受け身の体制」を意味します。
コールセンターでの受電や問い合わせをしてくれた相手に対しての反響営業、問い合わせがあった既存顧客のサポートなどが該当します。
アウトバウンドは飛び込み営業やテレアポなどの発信、顧客に対して営業スタッフ側から新しい提案をするなど、行動しなかったら何も起こらない所から売上や見込み客を生み出すことです。
ビジネスにおけるインバウンドとアウトバウンドの意味と使い方は、コールセンターの仕事と外回りをする営業の仕事なのかで違いがあります。
コールセンターは受電がインバウンドで発信がアウトバウンドと表現する傾向があるのに対し、営業の仕事は外回りや訪問による商談でも、その業務をするのが既定路線だった場合はアウトバウンドとは呼びません。
飛び込み営業やリストを見ながらの新規開拓テレアポのみ、アウトバウンドの言葉を使う傾向が強いです。
インバウンド・アウトバウンドはそれぞれの意味から、輸入=インバウンド、輸出=アウトバウンドと表現することもできますが、実際に使われることは少ないです。
インバウンドは外から内に入ってくる意味に消費を加えた造語として観光業界で幅広く使われているほか、受け身の体制を横文字にしてビジネスっぽくなる営業シーンで多く使われていますが、貿易については輸出入の既存の言葉が強いためインバウンド・アウトバウンドに言い換える必要性がありません。
輸入額より輸出額が上回った場合は貿易黒字、逆に輸入額が輸出額を下回った場合は貿易赤字と呼びます。
物流業界では製造された商品がお客様の手元に届くまでの物流をアウトバウンドロジスティックスと呼びます。
インバウンドロジスティックスは製品を製造するために材料を調達し、製品を完成させるための一連の流れです。
物流業界の場合は、インバウンド・アウトバウンドを単体で使わず、ロジスティックスを付けた言葉で使われています。
インバウンドとアウトバウンドの違いや意味は業界によって変わってきます。
観光業におけるインバウンドのイメージが強いため、
として使い分けることが多いです。営業シーンや物流業界でも略してインバウンド・アウトバウンドの単体ワードで使われることがあるので、話の流れに応じて何の意味で使われているのか違いを見極めるようにしてください。