インバウンド需要の増加と、それに伴うオーバーツーリズム(観光客のキャパオーバー)の改善対策でインバウンド向けホテル事業に積極投資する事業者が増えています。
インバウンド向けホテル事業とは、訪日外国人観光客をターゲットにした設備やサービスを提供する宿泊施設のことです。
主な取り組みやサービス内容を見ていきましょう。
日本人にも共通していることが多いですが、外国人観光客は言語や通貨の違いで生じる弊害が少ないサービスを特に重視しています。
全てが整っている必要はなく、外国人観光客の中でも富裕層や低予算希望者などターゲットを明確にすることが大切です。
日本人の利用者が中心だった宿泊施設が、インバウンド向けに設備をアップデートする事例が増えています。
これはインバウンドの需要拡大に乗ろうとしている事業者が多いだけではなく、国や自治体などが補助金・助成金を用意していることも関係しています。
一例として公益財団法人東京観光財団は、インバウンド対応力強化のために新たに実施する事業としての設備導入費用を、経費の1/2、300万円を上限に補助金を支給しています。
対象の主な設備投資は以下の通りです。
【公益財団法人 東京観光財団】インバウンド対応力強化支援補助金
対象の設備などは補助金の制度によって変わってきますが、紹介した補助金の対象になる設備投資がインバウンド向けホテル事業に求められるサービスの要点を掴んでいます。
日本人の集客力アップに繋がることも多いので、ホテルなどの宿泊施設を経営している方は補助金・助成金を上手に使いながら設備投資をしていくとよいでしょう。
ちなみに、インバウンド向けホテル事業者が活用できる設備導入を目的にした支援制度は、ほとんどが経費に対して一定割合が後から返ってくる補助金で、要件を満たすだけで支給される助成金が出ることは滅多にありません。
補助金は予算が決まっていて、利用できる時期が限られています。
手元のキャッシュが少ない場合でも銀行から借りるなどの方法で資金調達をして、補助金を有効活用しながら施設をアップデートするとよいでしょう。
昨今は古民家をインバウンド向けの民泊として活用する事例や、空き家になった古民家を買取してインバウンド向けの民宿・ゲストハウスに改造するケースが増えています。
日本の文化を感じたくて古民家などへの宿泊を希望する訪日外国人観光客の需要があります。
ただし、トイレを和式のままにすると上手に用を足せなくて汚されるなど古民家ならではの弊害もあるので、最低限のインバウンド向けリフォームをした方がいいです。
古民家のインバウンド向け民泊で起業しようとしている方が増えていますが、文化や生活スタイルが日本人と違う外国人観光客をターゲットにする場合は、注意点をしっかり認識しておいてください。